差別の経済学

差別の経済学で有名なのは、やはりBeckerでしょうか。
人的資本理論で有名です。ノーベル経済学賞を受賞したことでも有名でしょう。

Beckerの差別の経済学は、
労働市場を意図するものなんだろうな。きっと。
Beckerの著作は「人的資本」を読みましたが、
ぱらーっと読んで、数式がわけわからなくて、途中寝てしまってまともに読んでいるとはいえないのですが。
だって、経済数学をやっていないから、わからないんだよね。

マクロやミクロで教わるのは、近似させたものであるから、
わかりやすいものだけれど、正確にはつかめないし、

それがよいのかわるいのかは別にして、
そこで教わっていないものを応用しようもないので、
理解できずに疲れて眠くなる、ということを繰り返す。

なので、「人的資本」を読んだというより、
寝るために読んでた? といわれても否定できませんね。
しかも、大学卒業してからだよ。手に取ったのは。


話が大きくそれました。
Beckerの「差別の経済学」でしたね。たぶん、ミクロのテキストに出ているものと思われるのですが、
私の大学時代のミクロ経済学とは、みかんとりんごの効用しか記憶がない、というか、それを例にして話を進められたものの、先生が「まぁ」とか「その…(と言葉が詰まる)」とかを繰り返してばかりで、
話がまったく進まなくて、学ぼうとする意欲がなくなる(人のせいにしている)ことばかりで、
その「まぁ」と「その」の回数を数えてましたよ。
だって、あまりにも多くて、90分の講義で100回超えてたよ。「まぁ」は特に何回も。
数える私も、相当暇人で、機会費用をいかに無駄にしたのか、今すごく後悔しています。

まぁ、頭の悪そうな人を教えなければならない先生というのも、大変だよな…。
いかにわかってもらうのか、だからなぁ。


また、話が大きくそれました。
Beckerの「差別の経済学」は、確か、雇用主と労働者の問題。
そこでは、白人と黒人を例に取り上げられていましたか。
結論からいえば、差別をしている人は、差別をしていない人に負けますよというものだった…はず。
白人と黒人は能力が一緒という設定として、

雇用主は、黒人を雇用するときの効用が白人を雇用するときの効用を両者と比べて低いものである、というのが前提にある(黒人に対して差別嗜好を持っているとする)。
マイナスの効用を持つということから、
白人を雇用するときに比べて、黒人を雇用するときはその費用負担が大きくなるものとみなす。
だって、雇用主にとっては、そのコストを甘んじて受けるだけのメリットが効用にあって、雇用主にとってはそれは、なんら困るものではない。費用を増しても、白人を雇用したいのだから。

つまり、差別嗜好をもつ場合には、白人だけを対象としたマーケットにしか関心がない。
そうなると、労働市場では白人の需要が増えるため(需要曲線がシフトする)、白人を雇用するにはより高い賃金を支払わないと、白人を雇用できない。
白人も白人で、より高く賃金を提示する企業にしか関心がないから(「合理性」による)、高い賃金を払う企業に移動してしまう(移動もかんたんなものとして、あっさり辞められちゃうものと決めつける)。

しかし、企業のなかには、差別嗜好をもたない企業もある。
そのような場合には、わざわざ白人を雇用しなくても、効用は変わらない。
白人に比べて黒人への需要が相対的に低くなっていることから、
相対的に低コストで企業は黒人を雇用できることになる。

能力が同じという設定だから、
同じ能力をもつひとを雇用するとき、より低い賃金でその能力をもった人を雇用できる企業の方が、費用負担が少なくてすむ。
財市場は熾烈な争いが起きているものなので、
黒人を雇用している企業は、価格競争が激しくなっても体力勝負で生き残ることができる。
そのため、企業は差別嗜好を持つと、財市場から退出させられてしまいますよ、というもの。

…だったかなぁ。


詳細は覚えてないことと、もとの本を読んでない(英文だから読めないというのもある)ので。
結構適当かも。でも、考え方は一応沿っているはず(自信ない)。


まぁ、差別はしない方があなたのためですよ、みたいなものでしょうかね。
ただ、差別という言葉がねぇ…。

どこからが差別?

この明確な定義付けがわからない。
ものの好き嫌いは誰しもあるわけで、見るのも嫌なくらいダメなものだってある。
言葉がわからないな…。


そういう嗜好なのだから仕方がないことなのか?
偏見だからか?
その偏見も、経験則にのっとっていることもあって、
あながちその判断は間違いではないかもしれない。
ただ、その判断が間違いだったときに損はするものであるということであるけれど(統計的差別)。
でも、その判断をして、取捨選択することは情報を得るための費用負担を考えれば、合理的なことともいえる。


難しいね。
差別はいけないけれど。

その「差別」という言葉が持つ意味と、用いられる意味の程度が曖昧な気がしてならないなぁ…と。


そういや、差別の経済学は桑原先生が色々紹介していたな…。



The Economics of Discrimination (Economic Research Studies)

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