深刻な失業率

失業率悪化の裏側には、
求職者が増えたのか、
失業者が増えたのか、
ここが明確にされていない。

定義では、

完全失業者/労働力人口(非労働力人口を除く)

なので、
求職者が増えれば、分母も分子も増える。
失業者が増えたときは、分子だけが増える。

労働力人口は、就業者と失業者を足し合わせたものとみなしているので、
そのうち、どちらに集計されるのか、
就業者から失業者になれば、就業者のカウントから外れて失業者になる。
分母は変わらない。

求職者、ここで用いるのは、非労働力人口からの流入
労働力人口から仕事を探そうとして労働市場に入ってくる。
しかし、うまく仕事が見つからなかった。
このときは、労働力人口も増え、失業者でもカウントされる。

追加的労働力効果の影響でしょうか。


同時に景気が悪くなれば、求職(就業)意欲喪失効果もみられる。
仕事がみつからなくて、労働市場から退出することをいうけれど、

でも、これって家計の主たる生計者である者は、そうそう退出できないから、
主たる生計者でない者に多く変動が起きやすい。


一緒に発表されるというか、報道されるのは、有効求人倍率
失業者は総務省の管轄。
有効求人倍率厚労省の管轄。

有効求人倍率は、労働者数に対する求人数。
でも、求人って必ずしも厚労省が把握するものでもない。

それはハローワークの業務統計であって、
企業がハローワークを通じないで求人を出すときには、カウントされないから。


たとえば、大学新規学卒者の求人なんか、ハローワークを通じずに独自で勝手に説明会開いたり面接したりして、ハローワークを通じていない。

高卒の場合はまた違って、
ハローワークを通じて求人票が高校にやってくる。
教員が生徒と面談して、1人1社を推薦する。無論、落ちればまた推薦してもらえる(現在もそういうシステムは続いている?)。

今日の日経のニュースで、高卒予定者が企業で面接を受けた次の日に、求人を取り消しという状況になっているという報道の見出しだけみて、そこまできたか、と。



ところで、高卒者の求人は出るけれど、大卒者はどうなのか?
各大学の発表や、リクルートワークスが調査したものを発表しているくらいか。でも、就職率って、最後まで就職を断念しなかった者しか反映されなくて、途中で進学に切り替えた者や特に仕事を決めなくても「就職」を諦めてしまえば、分母から外されてしまうという実態もある。



と、話が大きくそれましたが、

失業率がこれだけ増えましたという深刻さはわかるのだけれど、

この前書いたような「暇つぶしパート」のような人がもし仮に失業者に多く含まれるのであれば、
深刻というほど深刻ではないのかもしれない。

主たる生計者という分類が以前はあったのに、
今はなくなっているので、深刻さがどの程度なのかが測れない。

無論、パートでなければ働けないような人もいるわけで、そこはどうにかしなければならない問題でもある。
たとえば、主たる生計者がパートタイマー(短時間労働者)であるとか、具体的には小さい子供を持つ女性労働者とか。


そのためには、やっぱり雇用創出?

失業率と有効求人倍率を結び付けているマスコミが多いけれど、
必ずしも、それは一致しているわけではないよ、というお話が、大きく横道にそれました。

眠いので、ここらで。