武士道シックスティーン

武士道シックスティーン (文春文庫)

武士道シックスティーン (文春文庫)


以前に読んだ『ストロベリーナイト』の作者の作品です。

ストロベリーナイト (文芸)

ストロベリーナイト (文芸)

その続編も面白かったので、『武士道シックスティーン』も面白いだろうと思い購入。

文庫本の帯を見て、映画化されるということを知り、
この前の『サヨナライツカ』みたいに、原作だけ知るというものもいいかなぁ…という思いもあった。

で、読んでみると、やはり読みやすさから、作品に引き込まれる。

剣道をしていた主人公(女子中学生)が、ある大会に出て負けてしまうところから話が始まる。
その主人公は県で2位という実績を持ちながら敗北。その負けた相手は、ある中学校(高校の付属校?)の生徒。

そして、その敗北から恨み(と表現していいのかな?)と敵を知るためにその相手がいるであろう高校へ進学する。その進学理由には、別の要因もある。主人公の兄が剣道をしていたころ、その兄に買った相手がその高校に居る。その相手に勝負を挑みたいと思っているという思いもある。

家庭環境も1つの要因にも挙げられる。
父と娘の関係も見ていると、いつかわかる「親のありがたみ」と「親の温かさ」を知ることもできるのかな、と。


とまぁ、話そのものは途中までいいのですが、
中盤あたりというか、主人公の性格がイマイチ好きになれなかった。

後半の葛藤はいい描き方です。しかし、その前にある、あるシーンだけは、私には好きではなかった。
こういう青春ものなら、なおさら。必要なシーンなのでしょうけど。
たぶん、青春ものでないなら、受け入れられたと思うけど。人が生き死にするような作品だったら、それ以上に酷いことが描かれているだけに気にも留めなかったけど。
悪いことが多すぎて感覚がマヒするような状況といえばいいのか。


それまでの話の流れから起こりうるものだろうけどね。

最後はあっけにとられました。
でも、本体となる部分はとても面白く描かれていたので、
是非、まだ読んで否方はこれを読んで、劇場に運んでみては?