マスコミが示唆させる非正規雇用のイメージ
確か、ワークシェアリングの話が出ていたころの話だと思います。
一昨年末の派遣切りから昨年3月頃に取り上げられたものといえばいいのでしょうか。
ワークシェアリングを本格的にどうにかしないといけなさそうな、そんな状況において。
「ワークシェアリングを導入の是非」をマスコミがアンケートしたときのこと。
「した方がいい」という意見もあるものの、
「しない方がいい」という意見もある。
割合は覚えてないので、どちらが多いとか、少ないとかは議論にしません。
そこで、「しない方がいい」の意見には、
「自分の生活があるから給与を下げられるのは痛い」というのが多かった気がします。
でも、「しない方がいい」の意見の中には、大概1つくらいは、
「努力していないのが悪い」という意見が入ります。
いや、私も「努力」は必要だと思いますし、
その意見には反対まではしません。
全員が全員、努力していないわけじゃない。
マスコミが取り上げるときには上記の「努力していないのが悪い」というコメントが入るのは、ちょっと悲しいですね。
無論、腰掛で仕事をしている人もいるでしょうし、
与えられた仕事を満足にこなせず、いかにも給与に見合っていない仕事をする人もまれに居るかもしれません。
おそらく、「努力していない」という意見には、今の仕事に「努力をしていない」人を指すものだと思うのですが、
正規雇用だから、偉いのか?
正規雇用は全員が努力した結果なのか?
今は非正規で職がなくなった人は、蔑む対象なのか?
と、優越的な視点を取り上げるマスコミのやり方が好きではない。
私も派遣村について、批判的な書き方をしたけど、
努力していないとは思っていない。
そりゃ、仕事を選ぶ余裕があるのか? というようなことは書いた。
それは、まだ余裕があるのだなという思いがあったから。
でも、まったく努力もしていないような言われ方をされるものではないよな〜と。
努力していないんだったら、
非正規雇用の基幹労働力なんてものは存在するのか?
あなたが利用するサービス業(小売も含め)では、そのような基幹労働力の非正規雇用によって支えられている事業所もあるし、それは少数ではない。
それが、産業の多数であるかといえば、多数ではないかもしれないが、
「いかにも努力をしていない」
というような見方は、如何なものなのか。
どうせなら、もう少し端折らずに、紹介してほしいものです。
それが、さらにマイナスのイメージを植え付けていくのだから。